津波とは、海域での地震、海底火山活動、及び海底での地すべり等によって引き起こされ、海岸線に押し寄せる高波のことです。 2011年3月11日に発生した東日本大震災による東北地方沿岸を襲った大津波をはじめ、日本国内ではこれまでにも、南海地震(1946年)、チリ地震(1960年)、日本海中部地震(1983年)、及び北海道南西沖地震(1993年)など「津波による被害」を被ってきました。「津波はかせ」は、津波の怖さを自ら繰返し実験・観察しながら学べるよう工夫された、地震防災啓発用の教材です。この種の模型としては小型で可搬性に優れ、かつ扱いが簡単ですので、大学の講義や自治体の防災イベントなどに幅広く御活用頂いております。
■ アクリルで密閉された長さ1.5m、厚さ数10mmの板状容器の内部に、アクリルとゴムで作られた海底地形模型を組み込んだ、軽量かつ水を入れたまま運搬可能な装置です。 ■ 津波を発生させる海底断層による水位押上げは、造波用シリンダーを手で押下げて発生させることで、体積変化を伴う局所的な水位上昇を簡易に生成出来ます。 ■ 造波用シリンダーは中が密閉構造になっていて、シリンダー昇降と水位調整用ロッドの回転で弁の開閉を組合せて、シリンダー内部に水を蓄えたり吐き出したり出来ます。これにより、簡易に海水位を変えられ、水位による津波伝播速度の違いを実験出来ます。 ■ 海底地形は、複数本の短い棒状プラスティックをゴムに接合し、棒の接合点にステンレスを配した、あたかも「自在定規」のような構造の模型です。接合点にはフックがあり、専用の細いロッドを上下させることで任意の地形を作れます。また、接合点に磁石が組込まれ、アクリルの正面に磁石を当てて地形形状を固定出来ます。 ■ 海水は水色に着色しており、視認性を高めています。長時間置いても、アクリル表面に色素がこびりつくことなく、メンテナンスも容易です。 ■ 模型上面ゴム栓から浮きや人形、防波堤を垂らすことが出来ます。水面に垂らした浮きの動きにより、水粒子の変位に着目した観察が出来るほか、津波のような波長が長い場合と波浪のような波長が短い場合の違いを学べます。また、防波堤は昇降させることが可能で、津波発生時の防波堤の役割を学習できます。